[アンカラ 17日 ロイター] – ペンス米副大統領は17日、トルコがシリア北部で展開する軍事作戦を5日間停止することで合意したと発表した。トルコがシリア難民帰還に向けて同地域に設置を計画している「安全地帯」から、クルド人勢力が退避する猶予を与える。 

ペンス副大統領はトルコのアンカラでエルドアン大統領と会談し、その後の記者会見で「米国とトルコがシリアにおける停戦で合意した」と発表。「120時間の間に、シリアのクルド人民兵組織『人民防衛部隊(YPG)』を安全地帯から退避させる」とし、退避が完了するまですべての軍事作戦は停止されると説明した。 

ペンス副大統領はさらに「停戦が実施されれば、米国はトルコに対する追加制裁を発動しない」としたほか、トルコが軍事作戦を終了した段階で、対トルコ経済制裁を解除すると言明した。 

停戦合意の発表を受け、トランプ大統領はツイッターへの投稿で「素晴らしいニュース」と称賛。「エルドアン大統領に感謝する」とし、「数百万人の命を救うことになる!」と述べた。 

ペンス副大統領によると、YPGを主体とする「シリア民主軍(SDF)」は安全地帯からの退避に合意し、すでに退避を始めているという。 

米・トルコが発表した共同声明によると、安全地帯は主にトルコ軍が管理に当たる。トルコのチャブシオール外相は軍事作戦を停止するとし、「テロリスト分子が安全地帯から完全に撤退した段階で、われわれは軍事作戦を終わらせる」と述べた。トルコ政府はYPGをテロ組織と見なしている。