新型肺炎

中国で湖北省武漢を中心に新型のコロナウイルスの感染が拡大する中、安倍総理大臣は現地に滞在する日本人の希望者全員を帰国させる方針を明らかにしました。政府は早ければ28日にもチャーター機を使って帰国させたいとしていて、運航に向けた調整や帰国した際の受け入れ態勢など検討を急ぐことにしています。

中国の湖北省武漢を中心に新型のコロナウイルスの感染が拡大する中、安倍総理大臣は27日に記者団に対し、現地に滞在する日本人について、中国政府との調整が整い次第、希望者全員を帰国させる方針を明らかにしました。

これを踏まえて茂木外務大臣は27日夜に中国の王毅外相と電話で会談し、感染拡大の防止に向けて支援を行う考えを伝えたうえで日本人の早期帰国に協力を求めたのに対し、王毅外相は理解を示し、両国のさまざまなレベルで調整を進めることで一致しました。

外務省ではこれまでに湖北省でおよそ430人の日本人が滞在していることを確認できたということで、27日から、帰国を希望する人は北京にある日本大使館に連絡するよう求めています。

政府としては希望者の確認や全日空に要請したチャーター機の準備が整い次第、早ければ28日にも帰国させたいとしていますが、閉鎖している武漢の空港を使用できるかどうかや帰国した際の受け入れ態勢など詰めるべき点も多く、速やかな帰国の実現に向けて検討を急ぐことにしています。

フランスも準備進める 帰国後2週間は隔離

フランスのビュザン保健相は26日、中国の湖北省武漢に滞在するフランス人の希望者が帰国できるようにチャーター機の準備を進めていることを明らかにしました。

チャーター機は今週の中頃に武漢を出発する予定で、利用者はフランスに帰国後、新型のコロナウイルスに感染していないか確認するために2週間隔離されるということです。

フランスのメディアによりますと、武漢にはフランスの自動車メーカーのPSA=プジョー・シトロエンの工場などがあり、駐在員やその家族など数百人のフランス人が暮らしているということです。