• 感染症例と死者数の正確さにも疑問、「封じ込めできているか不明」
  • 中国の感染症例が13日に5090件増、死者は計1380人-国家衛生健康委
A woman wearing a protective facemask walks on a street in Bangkok on February 13, 2020. 
A woman wearing a protective facemask walks on a street in Bangkok on February 13, 2020.  Photographer: MLADEN ANTONOV/AFP

トランプ米政権の高官は、中国による新型コロナウイルス感染拡大の対応への批判を強めている。ホワイトハウスのクドロー国家経済会議(NEC)委員長は13日、感染症例と死者数の正確さに疑問を呈した。

クドロー氏は記者団に対し、「われわれは中国がより高い透明性を示すと思ったが、そうではないようだ」とし、米国の公衆衛生専門家らが中国からいまだに受け入れられていないことに米国は失望しているとも語った。

U.S. National Economic Council Director Larry Kudlow Addresses Media
ホワイトハウスのクドローNEC委員長

中国の感染症例が13日の発表で激増したことについてクドロー氏は、「中国で封じ込めができているかどうか、われわれには分からない。件数が徐々に減っていると思っていたが、そうではないことが分かった」とした上で、「この件については、中国の対応にわれわれはとても失望している」と話した。

FOXニュースとCNBCも匿名の当局者を引用し、トランプ政権は新型ウイルスに関して中国が発する情報を信頼していないと報じた。ただ、トランプ大統領は表向きは中国政府の新型ウイルスへの対応を繰り返し称賛してきており、先週には、習近平国家主席のリーダーシップに感銘を受けたとツイートしていた。

中国からの情報には米金融当局者からも信頼性を疑問視する声が上がっている。ダラス連銀のカプラン総裁は13日、中国での感染拡大について特に新たに診断される症例が増え続け、情報が完全に正しいかどうか明らかでない現状では、経済的影響を把握するのは時期尚早との認識を明らかにした。

米ダラス連銀総裁「新型肺炎の情報完全に信頼せず」-影響把握は尚早

クドロー氏は米経済について、新型ウイルスに関して中国からより的確な情報が提供されないと正確な評価は難しいとしながらも、「今年後半」にはトランプ政権として3%成長のベースライン予想に戻すことができるとの感触を語った。

中国国家衛生健康委員会は14日、新型ウイルス感染症例が累計で6万3851件になったと発表した。13日に5090件増えた。死者は121人増の1380人。同委員会は湖北省で二重カウントがあったとして死者数を修正。死者として数えていた108人を除いた。感染症例も1043件を差し引き、総数を修正した。

湖北省ウイルス感染急増、「臨床診断」追加で-市民の怒り増幅か
新型肺炎治療、回復した患者の血漿に有効性-中国医薬品メーカー

中国の国有医薬品メーカー、中国生物技術は、新型ウイルス感染から回復した患者から採取した血漿(けっしょう)を集めている。別の患者への適用で、炎症軽減や体内ウイルス量の減少、血中酸素濃度の上昇などの治療効果が明らかになったという。

感染拡大への対応に追われる中国は、3月5日に開幕を予定している全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の延期を検討している。共同通信が事情に詳しい匿名の複数の情報源を引用して報じた。延期されれば数十年ぶりとなる。

全人代開催延期の可能性を巡っては、ロイター通信も先に匿名の関係者5人の話を基に報じていた

原題:China Death Toll at 1,380; Revisions Cloud Picture: Virus Update(抜粋)
U.S. May Return to 3% Growth Assumption Later This Year: Kudlow (抜粋)