[チューリヒ 20日 ロイター] – スイス政府は20日、新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けた企業などの支援に向け総額320億スイスフラン(325億6000万ドル)の支援策を打ち出した。 

スイス政府は先週、100億フランの新型ウイルス対策を発表。これらの措置で雇用の維持や賃金の保全などを下支えする。政府系エコノミストは19日、スイスは今年はリセッション(景気後退)に陥る恐れがあると警告した。 

スイス保健当局によると、スイスとリヒテンシュタインの新型ウイルス感染者数は4840人と、前日から952人増加。感染による死者数は43人。感染が拡大する中、スイス政府は5人以上の集会を禁止したほか、医薬品のパニック買いを防ぐために配給制を導入。約8000人の軍隊も動員している。 

隣国イタリアでは感染拡大を受け外出禁止措置が適用されているが、スイスはまだそうした状況には至っていない。ただ、ベルセ保健相はベルンで行った記者会見で「外出禁止措置に近いところまで来ている」と述べた。