[22日 ロイター] – トランプ米大統領は22日、全米の一部州で経済活動が安全に再開していると表明し、新型コロナウイルスで停止に追い込まれた経済の再開に向けた取り組みを評価した。一方、ニューヨーク州のクオモ知事は、拙速な行動はコロナ感染者の新たな急増を招きかねないとして懸念を示した。 

トランプ氏はツイッターで「一部州が安全に復旧している。わが国の経済活動が再開を始めている。年配の方々(私は例外!)には特に配慮している」と述べた。 

南部ジョージアやサウスカロライナなどの州知事は21日、経済活動を一部再開する方針を表明した。新型コロナ感染抑止のための行動制限を早期に解除するよう求める市民のデモが決断を促した格好だが、保健当局は経済再開を急げば、感染が再び拡大すると警告する。 

ムニューシン財務長官はこの日、新型コロナの大流行で休止状態にある米経済の大半が夏終盤までに再開するとの見通しを示した。 

テキサス州のアボット州知事は同日、5月第1週の広範な経済活動再開を目指し、来週にも工程表を発表すると表明。FOXビジネス・ネットワークに対し「なるべく多くの企業が活動を再開できるよう努めるが、コロナ感染が拡大しないよう安全性を確保しながら進めたい」と述べた。 

ニューヨーク州のクオモ知事は、入院患者数の減少などコロナ感染が最悪期を過ぎたことを示す兆候が増えているとする一方、無責任に制限措置を緩めれば、感染の「第2波」を招きかねないと警告。「愚策を弄している暇はない。賢明に行動しなければもっと多くの人が死亡する」と訴えた。 

ロイターの調べによると、全米の新型コロナによる死者数は4万5800人を突破。週内に5万人を超える恐れがある。ワシントン大学は8月4日までのコロナ死者数予想を約6万6000人とし、従来の約6万0300人から引き上げた。