[ニューヨーク/リホボスビーチ(デラウェア州)/ワシントン 26日 ロイター] – 米国では26日、感謝祭の祝日を迎えた。家族や親戚、友人が一同に集い夕食を共にするのが通例だが、新型コロナウイルス感染の猛威が衰えを見せない中、今年は帰省を見合わせ、ビデオ通話を通じた小規模な集まりが増える見通しだ。

感謝祭の恒例イベントである百貨店メーシーズのパレードも今年はテレビ放送での開催となり、コロナ禍の影響を大きく受けた。

米大統領選で当選を確実にした民主党のバイデン前副大統領は妻のジル氏と地元で静かな感謝祭を迎え、今年は大きな集まりは開かず、娘夫婦のみを夕食に招くとした。

バイデン氏はツイッターに投稿した動画で「多くの国民がこのような形で休暇を過ごすことを望んでいないことは理解している。しかし、われわれは自宅にとどまるという行動が米国民全員へのギフトであることも分かっている」とし、「良い時期は訪れる」と励ましのメッセージを送った。

一方、感謝祭の集まりが新型コロナ感染リスクよりも重要とする向きも少なくはない。米国ではコロナ感染症による入院者数が前日に8万9000人超と、これまでの最多を記録。保健当局は感謝祭を引き金に全米の死者が増加する恐れがあると警鐘を鳴らし、休暇中の移動や集まりを自粛するよう促しているが、米運輸保安局(TSA)によると、20─25日に航空機を利用した旅客数は約600万人に達した。

さらに、オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターの調査によると、約40%の国民が感謝祭休暇中に10人以上もしくは家族以外の「リスクの高い集まり」に参加することを計画しているほか、約30%が招待客にマスク着用は求めない方針という。

トランプ大統領もフロリダ州に所有する別荘「マール・ア・ラーゴ」には向かわず、ワシントン周辺で静かな感謝祭を迎えた。しかし、感謝祭の休暇を安全に過ごすよう促すバイデン氏とは対照的に、「米国民全員に家や礼拝施設に集い、神に感謝の祈りをささげることを勧める」と述べた。