【ワシントン時事】米上院は22日、バイデン大統領が国防長官に指名したオースティン元中央軍司令官(67)の就任を賛成93、反対2で承認した。オースティン氏は同日午後に宣誓を行い、黒人として初の国防長官に就任。トランプ政権下で揺らいだ同盟国との関係を立て直しつつ、急速に増大する中国の軍事的脅威やコロナ禍への対応を迫られる。

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 オースティン氏は国防総省職員と米軍将兵に向けた声明で「あなたたちと共に国に奉仕する機会が与えられたことを光栄に思う」と表明した。その上で「今の私の仕事は当然、米国民40万人以上の命を奪ったパンデミック(世界的流行)の制御を支援することも意味する」と強調。就任初日に新型コロナウイルス対策の会議を開催し、ワクチン配布策などについて意見を交わした。

 連邦法は文民統制の原則に基づき、退役から7年未満の元軍人が国防長官に就任することを禁じている。オースティン氏はこの規定に抵触するため、上下両院は21日に規定適用を免除する法案を可決していた。

 先立って開かれた上院軍事委員会の公聴会では「戦争を抑止し、国家の安全を堅持するという目標を常に持ちつつ国防総省の任務を遂行する」と強調した。「文民統制の原則を支持する」とも述べ、国防総省幹部を文民で固める意向を示した。