バイデン第46代米大統領が就任宣誓して1週間。次々と大統領令に署名し、トランプ前政権の方針をひっくり返すことはできても、公約した重要政策を実行するには議会で法案を通過させることが大前提となります。金融市場でリスクオフのムードが広がり始めたのは、追加経済対策をはじめとする政策の先行きが曇り始めたからでしょうか。下院はトランプ前大統領を「内乱の扇動」で弾劾訴追したものの、上院で有罪にできる見込みは一段と薄れてきました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

ワクチンが左右

米連邦公開市場委員会(FOMC)はフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0-0.25%で据え置くことを決定。米経済の回復ペースは減速したとし、経済支援のため利用可能なあらゆる手段を講じる姿勢を改めて示した。声明は「経済の道筋はワクチン接種の進展度合いも含め、ウイルスを巡る状況に大きく左右される」とし、初めてワクチンに言及。パウエル議長は資産価格が急上昇した主な要因は新型コロナワクチンの見通しと追加財政刺激策への期待だと述べた。

可能性排除せず

欧州中央銀行(ECB)の政策当局者らは、投資家が一段の利下げの可能性をほぼ排除している様子であることに違和感を抱いており、利下げが実施可能な選択肢だと強調することで合意した。複数の当局者によると、政策委員会は先週の会合で、市場がマイナス金利深掘りの可能性をほとんど織り込んでいない状況を協議した。

白旗

空売りを手掛けるメルビン・キャピタルとシトロン・キャピタルは、ビデオゲーム小売りチェーン大手ゲームストップの驚異的な株価急騰を受けて同銘柄の空売りポジションを解消した。メルビンの広報担当者が確認した。シトロンのアンドルー・レフト氏もユーチューブの動画で、ショートポジションの大部分を「100%の損失」で買い戻したと明らかにした。

抗議受け撤回

大手米銀バンク・オブ・アメリカ(BofA)は先週明らかにしたボーナスに関する計画について、高報酬のトレーダーやディールメーカーからの強い抗議を受け、これを撤回した。関係者によると、計画は勤続年数が長く退職が近い従業員に、2020年ボーナスの大きな部分の放棄を迫る内容だった。ボーナスの現金部分は減額され、残りは株式で支払われるなど、他の方針変更は維持されるという。

破竹の勢い

ビデオゲーム小売りチェーン大手ゲームストップの驚異的な株価急騰は、衰える気配を見せない。ゲームストップ株は前日までの4営業日で株価が3倍余りに急伸。27日は一時、157%高の380.00ドルを付けた。Jキャピタル・リサーチのアン・スティーブンソンヤン氏は、「合理性とファンダメンタルズが全く通用しないという印象だ」とコメント。株式時価総額は月初の15倍を超え、200億ドル(約2兆800億円)を突破した。

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