[ブリュッセル 17日 ロイター] – 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は、域内における統一的な法人税制を2023年に提案する方針だ。ロイターが18日公表予定の声明草案を入手した。

経済協力開発機構(OECD)は大手多国籍企業に対する国際的な法人税制について6月に合意する予定となっている。欧州委は「間近に迫った世界的な合意は国際的な法人税制の改革において決定的な一歩となる」とした上で、「このような進展を踏まえ、EUレベルでは同様の意欲的な法人税制計画を推進し、公平かつ効果的な課税を保証する必要がある」とした。

提案する法人税制はEU全域を対象とし、国内の税率が適用された税収を計算式に従い加盟各国に分配するもの。計算式の策定においては、売上高を販売先別でどのように適切に評価するか、多国籍企業が事業を展開している市場の重要性をどのように反映させるかなどが検討される。また、経済状況が異なる国家間で法人税収をバランス良く配分するために労働力や無形資産などをどのように反映させるのかも重要とした。

このほか、欧州委は大手多国籍企業に対し、域内で支払う実効税率の公表を義務付ける法案を来年提案する予定。年末までには節税目的で設立されたペーパーカンパニーの悪用を防止する法律も提案するという。

来年の第1・四半期までには負債による資金調達ではなく株式による資金調達を税制面で優遇する法律も提案される。