日産自動車元会長カルロス・ゴーン被告が、日産と三菱自動車が折半出資で設立したオランダの統括会社、日産三菱BV(NMBV)と雇用契約および報酬を巡り争っていた訴訟で、アムステルダムの裁判所は、ゴーン被告に約500万ユーロ(約6億6500万円)をNMBVに返還するよう命じた。

Carlos Ghosn attends a press conference at USEK University north of Beirut, Lebanon, on Sep 29, 2020. Hasan Shaaban/Bloomberg

  20日公表された判決文によると、ゴーン被告とNMBVの間には雇用契約がなかったため、同社から報酬や未払い賃金の遅延損害金などを受け取る権利がないと裁判所は判断。被告は2012年7月から日産のオランダ子会社の取締役を務めていたが雇用契約は18年4月1日で終了しており、同年4-11月にNMBVから受け取った報酬の手取り額は返還されるべきだと結論づけた。

  判決ではゴーン被告の名前を挙げず、レバノン在住の原告としている。被告は19年に、不当解雇を主張して日産と三菱自を相手取り1500万ユーロの賠償を求めてオランダで提訴。日産の代理人の弁護士らは昨年、同被告の雇用打ち切りは正当だと主張していた。

  今回の判決について、ゴーン被告の広報担当者は今のところコメントの要請に応じていない。

原題:Dutch Court Orders Ghosn to Repay ~EU5M to Nissan-Mitsubishi BV(抜粋)
Dutch Court Orders Ghosn to Pay Back $6.1 Million to Nissan (1)(抜粋)