[ロンドン 30日 ロイター] – 英政府の非常時科学諮問委員会(SAGE)は、新型コロナウイルスワクチンの効果は時間の経過とともに薄れる公算が大きいため、何年にもわたり継続的に接種する必要があるとの見解を示した。

SAGEは「新型コロナ感染症に対するワクチン効果の持続期間」と題する文書を作成。インペリアル・カレッジ・ロンドン、バーミンガム大学、英イングランド公衆衛生局(PHE)のウイルスと伝染病を専門とする研究者が執筆した。

研究者らは「ワクチンで新型コロナ感染症に対する免疫が得られ、重症化が抑えられた公算が大きいが、(効果は)時間とともに低減する」とし、「このため、何年にもわたりワクチン接種を続けなければならない可能性がある」とした。ただ、最適な接種頻度は現時点では分からないとした。

研究者は、国民に対するワクチン接種を比較的早く開始したイスラエルでこうした見方が裏付けられていると指摘。イスラエルは感染力が強い新型コロナのデルタ変異株の拡散を食い止めるため、60歳以上の市民に対し、ファイザー・ビオンテック製ワクチンのブースター接種(追加接種)を開始する。