[29日 ロイター] – アフガニスタンからの米軍撤退が最終段階に入った。カブール空港で待つ1000人余りの民間人がその前に退避することになると、西側の安全保障当局者が29日、匿名を条件にロイターに明らかにした。ただ、米軍による退避支援作戦の終了日時はまだ決まっていないという。 

実権を握ったイスラム主義組織タリバン側は、すでに技術者を揃え、カブール空港の管理権全てを掌握する用意ができていると説明。匿名を条件にロイターの取材に応じた関係者は、「双方が迅速な権限移譲を目指しており、米国からの最終承認を待っている段階だ」と述べた。

米当局者によると、28日時点で空港内には退避作戦に当たる4000人弱の米兵が残っている。退避作戦のピーク時にいた5800人から減少した。

ホワイトハウスによると、米国と同盟国の支援により、この2週間で約11万3500人がアフガニスタンを出国した。

バイデン大統領は28日、カブール空港で新たな攻撃が実行される可能性が高いと明らかにした。西側の安全保障当局者によると、空港へ来る人たちはその後に減ったという。

カブール空港で26日に起きた自爆攻撃では、米兵13人が死亡したほか、多数の死傷者が出た。西側諸国やタリバンと敵対関係にある過激派組織「イスラム国」(IS)が同日に犯行声明を出した。

米政府は27日、アフガニスタン東部のパキスタン国境に近いナンガルハル州でISの攻撃立案者を無人機で攻撃し、2人を殺害した模様だと発表した。

バイデン氏は28日、この攻撃が最後ではないと述べ、「われわれは凶悪な(自爆)攻撃に関わった者を捕らえて償わせる」と語った。

バイデン氏はまた、現地は「極めて危険な状態」が続いていると説明。今後24ー36時間以内に新たな攻撃が仕掛けられる可能性が高いと軍司令官から報告があったとした。

一方、タリバンの報道官は28日、ロイターに対し、米軍のドローン攻撃はアフガン領土への明らかな攻撃であり、米国は事前に通知すべきだったと語った。また、この攻撃で女性2人と子供1人が負傷したと明らかにした。

タリバンは先に、空港での爆発に関与した容疑者の一部を拘束したと表明している。

同報道官は、タリバンは米軍撤退後、カブール空港の管理権をすぐに掌握し、数日以内に全閣僚を発表すると語った。