[ワシントン 27日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)からの回復に伴う米国での物価上昇や雇用の問題が「予想以上に長引く」恐れがあるとの見解を示した。28日に上院銀行委員会で行われる公聴会での証言原稿が27日明らかになった。

パウエル議長は「経済再開のプロセスは経済休止と同様、前例にない。経済再開が継続する中、ボトルネックや雇用の困難、他の制約の度合いが想定以上に大きく、長引く恐れがあり、インフレに上振れリスクを及ぼす可能性がある」と指摘。「持続的なインフレ上昇が深刻な懸念となれば、インフレがわれわれの目標と整合して推移するよう、FRBは確実に対応し、政策手段を講じる」と述べた。

議長は証言で、先週の政策決定会合で示した重要な点にも言及。その中には、今夏の新型コロナのデルタ株拡大により経済の一部分野が減速したとしても、力強い経済成長が年内続くとの見通しが含まれている。

FRBは先週、景気回復に伴い月間の債券購入規模を縮小し始めることが可能な状態になりつつあると指摘した。債券購入規模の縮小は、新型コロナの打撃を受けた経済を支援するために講じてきた金融政策をより正常な状態に戻すための最初のステップとなる。