[ワシントン/シカゴ 12日 ロイター] – 米ホワイトハウスのサキ報道官は12日、テキサス州のアボット知事(共和党)が州内における新型コロナウイルスワクチン接種義務化を禁止する行政命令を出したことについて、科学ではなく、政治的な動機との認識を示した。

アボット知事は11日、州内における民間企業を含むあらゆる団体によるワクチン接種の義務化を禁止。バイデン大統領は9月、従業員にワクチン接種か週1回の検査を義務付けるよう国内企業に要請しており、これに逆行する動きとなる。

サキ報道官は「目の前にある全ての公衆衛生に関する情報やデータに反する選択は、自身が統治する人々の利益に基づいていない」と批判した。

テキサス州に本拠地を置くアメリカン航空とサウスウエスト航空は12日、12月8日までに従業員の新型コロナワクチン接種を義務付けるバイデン大統領の大統領令に従う方針を表明した。

サウスウエスト航空は「連邦政府の業者として大統領令を遵守する」構えを強調。アメリカン航空は、アボット知事の行政命令を精査しつつも、同社の方針に変更はないとした。

両社は米従業員に対し、11月24日までにワクチン接種証明を提出するよう求めている。

また、ニューヨーク州の地方裁判所の判事は12日、同州で働く医療従事者に対する新型コロナワクチン接種義務付けを巡り、宗教上の理由による除外を認めず義務化することはできなという判断を下した。

ニューヨーク州保健省は医療従事者に対し、9月26日までにワクチン接種を受けるよう義務付けた。宗教上の理由による免除は認めれなかったため、一部の医療従事者が提訴していた。

バイデン政権が数千万人のワクチン未接種者への対応として接種義務の拡大を策定し、反ワクチン派が対抗姿勢を鮮明にする中、ニューヨーク州の司法判断に注目が集まっていた。