大リーグ、エンジェルスの大谷翔平選手が、選手たちの投票で決まる年間最優秀選手に日本選手で初めて選ばれました。

大リーグの選手会は毎年、選手どうしの投票でその年最も活躍した投手や野手を表彰していて、28日、ことしの受賞者が発表されました。

このうち、今シーズン投打を通じて最も活躍した選手1人を選ぶ年間最優秀選手「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」に、投打の二刀流でめざましい活躍を見せたエンジェルスの大谷選手が初めて選ばれました。

年間最優秀選手に日本選手が選ばれるのは初めてです。

大谷選手は大リーグ4年目の今シーズン、ピッチャーとして9勝、156奪三振、バッターとしてホームラン46本、100打点、26盗塁で、史上6人目の「ホームラン45本、25盗塁」を達成するなど投打ともに自己最高の成績をマークし、7月のオールスターゲームでは史上初めて投打の同時出場を果たしました。

大谷選手以外の最終候補には、ホームラン48本でアメリカンリーグのホームラン王を獲得したブルージェイズのゲレーロJr.選手と、打率3割9厘、ホームラン35本をマークしたフィリーズのハーパー選手が入っていました。

リーグの野手部門の最優秀選手にも

また、大谷選手はアメリカンリーグの野手部門の最優秀選手にも選ばれました。

この賞は、イチローさんが大リーグのシーズン最多安打記録を更新した2004年に受賞していて、日本選手では2人目となります。

大谷選手は、26日に大リーグで歴史的な偉業を成し遂げたとしてコミッショナー特別表彰を受けたのに続き、今回、ともに大リーグでプレーする選手たちからも両リーグを通じた年間最優秀選手に選ばれたことで、来月18日に発表される記者投票でのシーズンMVP=最優秀選手に向けても大きな弾みとなりました。

大谷「選手からそう言ってもらえるのは特別なこと」

大谷選手は大リーグ選手会がツイッターに投稿した動画に白いシャツと黒いジャケット姿で登場し「すごくうれしい。ほかの賞ももちろんうれしいですが、実際に戦っている選手からそう言ってもらえるのは特別なことなので本当にうれしい」と受賞の喜びを語りました。

そして「いい選手たちに引っ張られてというか、自分のチームはもちろん、周りで戦っている選手たちのプレーを見る事で自分が引き上げられていくこともあると思っている。そういう意味でも感謝しているし、来年以降も高いレベルで競い合えるシーズンを送れたら幸せだと思う」と話していました。

また、ほかの受賞選手に対しても祝福のコメントを送り、ナショナルリーグの最優秀投手を受賞したドジャースのシャーザー投手には「初めてオールスターゲームでお会いして、ピッチャーとしても非常に参考になる。また対戦する機会があれば楽しみです」とコメントしていました。

ライバルの選手たちも祝福

大リーグを代表する選手たちも、選手会のツイッターで大谷選手に祝福のメッセージを寄せました。

大谷選手とともに年間最優秀選手の最終候補に入っていたフィリーズのハーパー選手は「すごいとしか言いようがない。おめでとう。すばらしい1年だったし、これからも楽しみだ」とコメントしました。

オールスターゲームではバッターの大谷選手と対戦したドジャースのシャーザー投手は「見ていて本当に楽しかった。見事なシーズンだったし、こんなバッティングとピッチングは誰も見たことがない」と笑顔で話し、大谷選手とともにホームラン競争に出場したオリオールズのマンシーニ選手は「投げていなくてもMVP候補だし、打っていなくても大リーグで最強の投手だ」とコメントしていました。

また、ジャイアンツのポージー選手は「リトルリーグで全力でプレーする12歳がそのまま大人になったようだ」と話していました。

そして、おととし年間最優秀選手を受賞したチームメートのトラウト選手は「翔平、受賞おめでとう。先発して8回投げた翌日にホームランを打つなんてとにかくすごい。歴史的な瞬間ばかりだった」とたたえていました。