[東京 1日 ロイター] – 連合の芳野友子会長は1日、報道各社のインタビューに応じ、新型コロナウイルス禍の再拡大で景気回復が後ずれしても、回復基調に間違いはないとして「むしろ景気回復の鍵となるのが春闘の賃上げ」だと主張した。

会長はまた、最近の企業物価の上昇が消費者物価に波及しつつあるとして「賃金が追い付かなければ経済回復はさらに遅れる。すべての組合が賃上げを実現することで消費を回復させ、経済の好循環を起動させていくべきだ」と語った。

一部の企業が過去最高益を更新するなど、現在の企業業績回復には業種や企業間で温度差が見られる。会長は、それぞれの状況を踏まえた取り組みをすべきだとしたうえで、経営が難しい状況下では「将来に向けた展望、中期的に目指す数字を労使で話し合うことも非常に重要」だとした。

最近の企業経営で、いわゆる物言う株主の存在感が強まっていることに対しては「(連合は)労使交渉の場を尊重し、重要視する取り組みを強化していく」と述べるにとどめた。