[東京 1日 ロイター] – 政府の経済安全保障法制に関する有識者会議は1日、今国会に提出する方針の経済安全保障を推進するための法案策定に向けた提言をまとめた。半導体や医療物資などのサプライチェーンの強化や機微技術に関する特許の非公開化制度の整備を求めた。

法案は、サプライチェーンの強靱化、基幹インフラの安全性・信頼性の確保、官民技術協力、特許出願の非公開化の4つの柱で構成される。

サプライチェーンの強靭化については、国内生産基盤の整備のみならず、供給源の多様化、備蓄、生産技術の開発・改良など物資の特性に応じた多様な取り組みに対する支援を行うことができる枠組みとすべきと指摘。また、民間事業者にとってサプライチェーンの再構築は複数年度にわたることも想定されるため、中長期にわたって財政支援を受けられる枠組みの必要性を訴えた。

特許出願の非公開化では、我が国の安全保障上極めて機微な発明で公にするべきではないものは、そういった状況が解消するまで、出願公開の手続きを保留し、機微な発明の流出を防ぐための措置を講ずる制度を整備する必要があるとした。

一方、基幹インフラの安全性・信頼性の確保においては、サイバー攻撃のリスクに対応するため、多層防御の考え方に立ち、設備導入前にリスクを把握・排除することが必要だと指摘。ただ、事業者の経済活動が過度に制限されることがないよう、必要最小限の規制とするべきと明記した。

官民技術協力の分野では、研究者への必要な情報の提供、資金の確保、人材の養成などの支援策に係る基本指針を策定し、所要の措置を講ずるように努めるべきとした。

政府は提言を受け、与党との調整を踏まえて2月下旬に法案を閣議決定、今通常国会での成立を目指す。