北海道 知床半島の沖合で11人が死亡、15人が行方不明になった観光船の事故で27日、運航会社の社長が記者会見を行い、事故当日、出航を決めた判断について「いまとなれば間違っていたと思っている」と述べ謝罪しました。第1管区海上保安本部は事故の背景に安全管理上の問題がなかったか実態把握を進めることにしています。

今月23日、乗客・乗員26人を乗せた観光船「KAZU 1」(19トン)が知床半島の沖合を航行中に遭難した事故は、これまでに見つかった乗客11人が死亡し、ほかの15人はいまも行方が分かっていません。

27日に観光船の運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長が事故の後、初めて記者会見しました。

冒頭、謝罪のことばを述べた桂田社長は当日の朝、船長から「出航可能」という報告を踏まえ海が荒れるようであれば引き返す、条件付きの運航とすることにして出航を決めたと説明しました。

また、事故の当日、事務所の無線のアンテナが故障していたうえ、船の衛星電話も修理中で使えないなど、連絡手段が不十分だったにもかかわらず、出航を決定していたということです。

桂田社長は出航を決めた判断の是非を問われると「いまとなれば、間違っていたと思っている」と述べました。

第1管区海上保安本部は、事故の背景に安全管理上の問題がなかったか会社側から話を聞くなどして実態把握を進めることにしています。

一方、現場海域の周辺では事故から6日目となる28日も捜索が続けられていて、海上保安本部などが行方不明者の発見を急ぐことにしています。