[21日 ロイター] – ロシアと欧州を結ぶ主要ガスパイプライン「ノルドストリーム1」の運営会社は、10日間の定期メンテナンスを終えてドイツへのガス供給が21日に再開したと発表した。欧州への供給を巡る懸念が和らいだ。

運営会社「ノルドストリームAG」の広報担当者はロイターに対し「ガス輸送の再開を進めているところだ。所定の量に達するには数時間を要する可能性がある」と述べた。

一部で懸念されていた点検期間の延長はなかった。ただ、欧州各国は再開後にガス供給量がさらに削減される可能性に身構えている。

ノルドストリーム1の輸送能力は年間550億立方メートル。11日からメンテナンスに入っていた。

運営会社のウェブサイトによると、0400─0500GMT(日本時間午後1─2時)の輸送量は1時間当たり約2139万キロワット時(kWh)で、それ以前はゼロだった。

オーストリアのエネルギー企業OMVの広報担当者は21日の供給量について、ロシア国営ガスプロムが契約比約5割減の稼働停止前並み水準になることを示唆したと述べた。

ロシアのプーチン大統領は20日、ノルドストリーム1について、関連設備の問題で供給をさらに絞るか停止する可能性があると警告。これを受けて欧州連合(EU)は加盟国に、来年3月までガス使用量を15%削減するよう提案した。