[東京 27日 ロイター] – 政府は27日、脱炭素化を進めるための「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」(議長:岸田文雄首相)の初会合を開催した。岸田首相は、再生エネルギーの最大限の導入や原発の再稼働に向けて、政治決断が必要な項目を次回会合で示すよう求めた。 

<岸田首相「エネルギー危機を危惧」>

岸田首相は、日本が2030年度に温室効果ガスを46%削減するとの国際公約を掲げている一方で、「エネルギー市場の混乱や価格高騰、国内における電力・ガス需給逼迫懸念など、1973年の石油危機以来のエネルギー危機が危惧(きぐ)される緊迫した状況」と指摘。「足元の危機克服が、中長期のGX実行と別々のものであってはいけない」との見方を示した。

その上で、次回の会議では「電力・ガスの安定供給に向けた省エネ、再エネ、蓄電池の最大限導入のための制度的支援策や、原発再稼働とその先の具体的方策について、政治の決断が求められる項目を明確に示してもらいたい」と求めた。

<新設GX担当相、萩生田経産相が兼務>

会議に先立ち岸田首相は、新設したGX実行推進担当相を萩生田光一経済産業相が兼務する人事を発令した。木原誠二官房副長官が同日午前の会見で明らかにした。

会議のメンバーは伊藤元重・東大名誉教授、白石隆・熊本県立大学理事長らで、初会合は27日午後2時から開催された。

木原官房副長官は、GX担当相の任務として「2050年カーボンニュートラルを見据え、官民連携のもと、日本をクリーンエネルギーの中心となる脱炭素に向けた経済、社会、産業構造変革、いわゆるGXを実現するため、総合的な対策を推進すべく、行政各部の所管する事務の調整を担当する」と説明した。

GX実行会議は、グリーン社会の実現に向け産業構造の転換を図る政策を具体化させるため、岸田首相が5月に立ち上げを表明。関係閣僚に対し、議論の取りまとめを指示していた。

首相は今月22日、経団連の夏季フォーラムで講演し、GX実行推進担当相と、新興企業の育成を担う「スタートアップ担当相」を設置する意向を表明していた。

◎GX実行会議有識者メンバー(五十音順)

淡路睦 千葉銀行取締役常務執行役員

伊藤元重 東大名誉教授

岡藤裕治 三菱商事エナジーソリューションズ社長

勝野哲 中部電力会長

河野康子 日本消費者協会理事

小林健 日本商工会議所特別顧問、三菱商事相談役

重竹尚基 ボストンコンサルティンググループ マネージングディレクター

白石隆 熊本県立大理事長

杉森務 ENEOSホールディングス会長

竹内純子 国際環境経済研究所 理事

十倉雅和 日本経済団体連合会会長

林礼子 BofA証券副社長

芳野友子 日本労働組合総連合会会長