• 米地区連銀総裁の見解、米下院議長の訪台、米求人件数
  • 米国株の強気派と弱気派、米企業決算で明暗
Uncertainty is pulling the Fed away from its carefully calibrated path to U.S. recovery. Photographer: Stefani Reynolds/Bloomberg

米2年債利回りが急上昇し、7月27日の連邦公開市場委員会(FOMC)声明発表前の水準にまで戻しました。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見での発言がハト派的に解釈されましたが、地区連銀総裁の相次ぐ発言が先走った市場に軌道修正を促した格好です。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

ほど遠い

サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は高インフレを相手にした米金融当局の闘いはほぼ完了の状況から「ほど遠い」とし、当局者らが物価安定の達成に全力で取り組んでいると述べた。シカゴ連銀のエバンス総裁は9月のFOMC会合で決定する利上げ幅について、「50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)が妥当な判断となり得るまでに十分な時間があると思われるが、75bpでも問題ないかもしれない」と述べた。

訪台への反応

ペロシ米下院議長は2日夜、台湾に到着した。中国の国営新華社通信は中国人民解放軍が4日から7日まで軍事演習を実施すると、ソーシャルメディア「微博(ウェイボ)」への投稿で明らかにした。中国軍機21機が台湾南西部の防空識別圏に侵入したと、台湾国防部が発表した。電気自動車(EV)用バッテリー世界最大手、中国の寧徳時代新能源科技(CATL)はテスラやフォード・モーターに供給するための北米工場の新設計画について、議長の訪台による緊張を理由に発表を見合わせることにしたと、関係者が明らかにした。

米求人件数

6月の米求人件数は1069万8000件と、9カ月ぶりの水準に減少。逼迫(ひっぱく)する労働市場の状況がやや緩和していることを示唆した。失業者1人に対する求人件数は約1.8件で、5月からわずかに減少した。求人件数の減少が目立ったのは小売業や卸売業のほか、州および地方自治体の教育だった。建設業も減少した。

強気派VS弱気派

JPモルガン・チェースのマルコ・コラノビッチ氏は下期の米国株の反発を想定している。魅力的なバリュエーションと投資家の弱気のピークが過ぎた可能性が高いことが理由。一方、ゴールドマン・サックス・グループのストラテジストは「市場はより緩和的な金融政策スタンスへの期待からリセッション(景気後退)を軽視するのが早過ぎ、安心し過ぎているような気がする」と指摘。投資家の期待は行き過ぎている恐れがあると警鐘を鳴らした。

明暗

米配車サービス大手、ウーバー・テクノロジーズの4-6月(第2四半期)決算は、売上高が前年同期比で2倍余り拡大した上、アナリスト予想を上回った。インフレ高進にもかかわらず、配車や食品宅配の底堅い需要が続いたことに後押しされた。ウーバー株は急上昇。一方、鉱業・建設機械メーカー大手の米キャタピラーの4-6月決算によると、建設機器の売上高はアジア太平洋地域で減少した。中国のエンドユーザーからの収入減を理由に挙げた。株価は大幅安。

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