[ワシントン 16日 ロイター] – 米軍は16日、台湾周辺で軍事演習を実施した中国との緊張の高まりを回避するために延期していた大陸間弾道ミサイル(ICBM)「ミニットマン3」の定期発射実験を実施したと発表した。

ミニットマン3はカリフォルニア州のバンデンバーグ宇宙空軍基地から発射され、約6760キロ飛行。米軍は声明で、今回の実験は「米軍の核戦力の準備態勢」を示すもので、米国の核抑止力の有効性が確認されたと表明した。

米軍はこうした実験はこれまでに約300回実施されているとし、今回の発射実験は特定の世界的な事象に対応したものではないとしている。

中国人民解放軍は15日、米議員団が台湾を訪問したことを受け、台湾周辺で新たな軍事演習を実施。延期されていたミニットマン3の定期発射実験を米軍が実施したことで、米政府が少なくとも短期的には台湾を巡る緊張の高まりをそれほど懸念していないことが示された。

ミニットマン3は米ボーイングが製造。核弾頭搭載が可能で、射程距離は約9660キロ。飛行速度は時速約2万4000キロに達する。