けさネットでニュースを見ながら目に止まった記事がこれ。「玉木代表『古いやり方から脱却したはずだ』…立民に憲法審を止めないよう注文」、読売新聞が掲載している。他の新聞に同様の記事が掲載されているか、確認してない。ざっと見たところ産経新聞にも見当たらない。多分、読売新聞だけだろう。保守系に近いう読売ならではの記事ということか。玉木氏は昨日開いた記者会見で「憲法審査会は止めないでもらいたい。(憲法審を)開くこと自体がニュースになる古いやり方からは脱却したはずだ。野党第1党として協力してほしい」と述べた。記者会見だから他社の記者もいたはずだ。記事にするかしないかはメディアの判断だ。そこに異論はない。玉木氏の発言は立憲民主党の新しい役員人事に関連した発言である。この記事を読みながら個人的には憲法審のことより同党の役員人事に思いが飛んだ。

先の参院選で6議席減と惨敗した同党は26日に党の役員改選を行った。西村幹事長が代表代行に昇格し、新幹事長に岡田氏が就任。国会対策委員長が安住氏、選挙対策委員長が大串氏、政調会長が長妻氏だ。代表代行(広報本部長兼務)だった逢坂氏は留任という布陣。主要なポストに同党のベテラン議員を配置している。このニュースを見た途端、個人的には「だめだこりゃ」と呟いてしまった。参院選敗北の責任を明確にしたのかしないのか、何が何だかよくわからない。何よりも昔見た顔がずらりと並んでいる。同党のホームページに掲載されている新役員の集合写真を見ると、真ん中で微笑んでいる泉代表よりも、これを取り巻く周囲のベテラン議員に目がいってしまう。とりわけ国会での与野党対立を主導してきた安住氏の国対委員長に復帰がポイントだ。与野党対決、先祖返り、「ダメなものはダメだ」路線への回帰。そのようにみえてしまう。

政治は結果だから印象だけで評価すべきではないことはよくわかっている。おそらく国民民主党の玉木代表はそこを代弁しているのだろう。だから目に止まった気がする。記事によると衆院憲法審は、泉代表が「提案路線」をとった先の通常国会では、ほぼ毎週開催され、計15回審議が行われた。ところが「安住氏が国対委員長を務めていた2020年通常国会での実質審議は1回、21年通常国会も3回にとどまっていた」とある。あくまで過去の話だが、安住氏起用の狙いは対決路線の選択以外にはないだろう。「提案路線」を継続するなら、人材は他にもいくらでもいる。仮に対決路線への復帰が事実なら、それによって閉塞感に覆われている立憲民主党の未来は開けるのだろうか。以下は同党のホームページから拝借した新役員の顔ぶれだ。これを見ながら立民の行末に思いを致すことにする。