• 米金融当局者の見解、米住宅価格指数の急減速、英財務相が自信示す
  • ポンドの最悪期はまだ、パイプラインで破壊工作か
Homes stand under construction at a housing development in Louisville, Kentucky. Photographer: Luke Sharrett/Bloomberg

7月の米住宅価格指数が急減速しました。背景にあるのは住宅ローン金利の急上昇ですが、フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)によると、7月時点の30年物固定金利は5.3ー5.5%。それから2カ月たった9月には6.29%まで上昇しています。この日は米10年債利回りが節目の4%に接近、米金融当局者はこぞってインフレ警戒姿勢を示しました。金利上昇と住宅市場の変調はしばらく続きそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

深刻なリスク

セントルイス連銀のブラード総裁は、高まるインフレ圧力によって金融政策当局のインフレ目標政策に対する信頼性が脅かされていると述べた。「これは深刻な問題であり、適切な対処を確実に行う必要がある」と話した。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は27日、米金融当局は物価安定の回復にコミットしており、現在の利上げペースは適切だと述べた。シカゴ連銀のエバンス総裁は「今から6カ月で、金融政策の遅行効果が労働市場に表れるはずだ」と述べた。

過去最大の減速

S&P・コアロジック/ケース・シラーがまとめた7月の全米ベースでの住宅価格指数は15.8%上昇し、前月(18.1%上昇)から2.3ポイント鈍化した。この鈍化幅は統計開始後で最大。住宅価格は前年同月比では依然として上昇しているが、20都市の価格指数は前月比では0.4%低下と、2012年以来のマイナスを記録した。住宅ローン金利は今年に入って2倍に上昇し、住宅市場に水を差している。

「自信」表明

クワーテング英財務相は27日に金融業界幹部と会談し、自らが打ち出した経済戦略を継続すると表明。「成長計画と今後発表する中期財政計画、イングランド銀行(英中央銀行)との緊密な協力によって、われわれのアプローチは機能すると自信を持っている」と述べた。27日は英資産に落ち着きの兆しが見られ、ポンドは数カ月ぶりの大幅上昇に向かっている。一方、英政府が打ち出した減税政策は海外の政策当局者の間で懸念を引き起こしている。

最悪期はまだ

英国の欧州連合(EU)離脱を支持し、その後ポンドを空売りしてきたヘッジファンド運用者のクリスピン・オデイ氏は、ポンドの最悪期はまだ終わっていないとの見方を示した。26日夜のインタビューで、英当局がインフレを克服するには長い時間がかかるだろうと指摘。イングランド銀行が緊急会合を開き利上げをすることはないだろうとして「それは行き過ぎたパニックだろう。ポンドはまだ下落しがちで、どうなるかを見極める必要があると思う」と語った。

破壊工作か

ロシア産ガスを欧州に輸送する主要ガスパイプライン「ノルドストリーム」で「前例のない」規模の損傷が報告されたことについて、ドイツは破壊工作があったとの見方を強めている。ノルドストリーム運営会社は27日、稼働再開時期の予測は不可能だと発表。欧州ではロシア産ガスの大規模な供給なしに冬を乗り越えなければならない見通しが現実味を増した。

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