[ソウル/東京 28日 ロイター] – 日韓両政府は28日夕、北朝鮮が短距離弾道ミサイル2発を東岸沖へ発射したと発表した。北朝鮮が弾道ミサイルを発射するのは、短距離弾を試射した25日以来。米韓は26日から合同軍事演習を実施中で、29日にはハリス米副大統領が訪韓する。

韓国軍によると、北朝鮮は平壌付近から発射。日本の防衛省は2発とも変則軌道の可能性があり、1発目は高度約50キロ、飛行距離約350キロ、2発目は高度約50キロ、飛行距離約300キロだったと分析している。いずれも日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したと推定している。

井野俊郎防衛副大臣は記者団に、「立て続けにミサイルを発射していることは許されない。強く非難する」と語った。日本政府は北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に抗議した。

訪日中のハリス副大統領は29日に韓国を訪問し、韓国と北朝鮮の軍事境界線がある非武装地帯(DMZ)を訪れる。28日には神奈川県の米海軍横須賀基地でミサイル駆逐艦ハワードに乗艦し、「違法な兵器計画は地域の安定を脅かし、国連安保理決議違反だ」と演説した。

韓国軍合同参謀本部は声明で「北朝鮮の挑発は米韓の抑止力と対応能力をさらに強化し、国際社会からの北朝鮮の孤立を深めるだけだ」とした。

韓国の尹錫悦大統領も声明を発表し、国家安全保障会議が開いた緊急会議で北朝鮮の行動を非難し、北朝鮮を抑止する「圧倒的な」能力の構築を続けることを確約したと表明した。

米国務省の報道官も北朝鮮のミサイル発射を地域の脅威と非難。同時に、米政府は外交的アプローチを堅持するとし、北朝鮮に対話に関与するよう呼びかけると述べた。