日本の小型ロケット「イプシロン」6号機は、12日午前9時50分ごろに鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられましたが、ロケットに異常が発生したため機体を破壊する信号が送られ、打ち上げは失敗しました。

これを受けてJAXA=宇宙航空研究開発機構は、会見を開きました。

この中で山川宏理事長は「ロケットの姿勢が目標からずれ、地球を周回する軌道に投入できないと判断し『指令破壊信号』を送った。打ち上げの失敗については、地元をはじめ関係する皆さま、搭載された衛星に関係する皆さまの期待に応えられず、深くお詫び申し上げる」と述べ、陳謝しました。

そのうえでJAXAはこれまでに分かっている状況を説明しました。どのような異常が起きたのか、今後への影響は。会見のポイントをまとめました。

Q.どのような異常が起きたのか

A.イプシロン6号機は予定通りの時刻に打ち上げられ、1段目の燃焼終了後、衛星を覆うフェアリングの分離、ロケットの1段目と2段目の分離、2段目の燃焼開始と終了までは計画どおりに飛行した。

その後、2段目と3段目を分離する前にロケットの姿勢が目標からずれ、地球を周回する軌道に衛星を投入できないと判断し、地上からの「指令破壊信号」を送った。

2段目と3段目の姿勢に異常があったことは分かっている。姿勢制御をつかさどるさまざまな機器を徹底的に調べて原因を究明する。

Q.指令破壊とはどのようなものか

A.ロケットの飛行能力を失わせること。今回は2段目と3段目のロケットを同時に破壊する指令を出した。

2段目の表面に火工品が装着されていて、破裂させる形で破壊する。3段目は2段目に付いている火工品から3段目を破壊する仕組み。

飛行の安全に関する管制は種子島宇宙センターで行っていて、そこからコマンドを送信した。

破壊された機体はフィリピンの東の海上に落ちたと推定される。海の深いところに落ちたとみられ、回収は難しいのではないか。

JAXAのロケットでは、過去に1999年11月15日のH2ロケット8号機、2003年11月29日のH2Aロケット6号機で指令破壊を実施している。

Q.新型ロケット「H3」など今後への影響は

A.H3を開発中であり、H2Aの運用も続けている段階なので、今後影響が出てくる可能性は否定できない。

まずは原因を正確に捉えて対策をうつということが、JAXAのロケットに対する信頼を取り戻すうえで最も重要だと思っているので、そこに力を注いでいきたい。