23日、キーウ(キエフ)で、屋外展示されたロシア軍の戦車の前で子どもを撮影する女性(AFP時事)
23日、キーウ(キエフ)で、屋外展示されたロシア軍の戦車の前で子どもを撮影する女性(AFP時事)

 【ワシントン時事】ウクライナのティモシェンコ大統領府副長官によると、11月に奪還した南部ヘルソン州の州都ヘルソン市中心部で24日、ロシア軍の攻撃があり、少なくとも7人が死亡、58人が負傷した。ゼレンスキー大統領は通信アプリで「テロ国家がクリスマスイブの朝に民間人を狙って砲撃した」と非難した。

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 ウクライナは24日、ロシアの侵攻開始から10カ月を迎えた。だが、侵攻終結への道筋は見えず、ロシア軍は依然として攻撃の手を緩めていないことが浮かび上がった。ウクライナ側はロシア軍が兵士や弾薬などを前線にさらに送り込んでいるとして、警戒を強めている。

 ウクライナ軍参謀本部は23日、ウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムトやリマンなどでロシア軍の攻撃が行われたと明らかにした。また、ミサイル攻撃や空爆なども実施。地元メディア「キーウ・インディペンデント」などが伝えた。

 また、ロシア軍は原発がある南部ザポロジエ州への攻撃も続けているもようだ。ウクライナ軍によると、ロシア側は鉄道で兵士や軍装備品を前線に運び込んでいる。

 ゼレンスキー氏は23日夜のビデオ演説で、引き続きロシアに支配された地域の解放を目指すと強調。「われわれは勝利に一歩一歩近づいている」と国民を鼓舞した。一方、「休暇が近づき、ロシアのテロリストが再び活動的になるかもしれない」と述べ、クリスマスを迎える中で警戒を怠らないよう呼び掛けていた。