[ソウル 27日 ロイター] – 韓国の尹錫悦大統領は27日、無人機(ドローン)に特化した軍部隊の創設を前進させると表明し、前日に韓国上空に侵入した北朝鮮の無人機5機への軍の対応を批判した。

北朝鮮の無人機の侵入を受け、韓国軍は戦闘機や攻撃ヘリコプターを緊急発進させ、撃墜を試みたと発表している。

今回の侵入を受け、韓国では防空能力を巡る疑問が再燃した。

軍はヘリコプターから100発程度発射するなどしたものの、撃墜に失敗した。ドローンは首都ソウルを含む複数の都市の上空を約5時間にわたって飛行した。

軍は、無人機を撃墜できなかったことを謝罪。無人機は約3メートルと撃墜するには小さかったという。また、民間人の安全への懸念から積極的に攻撃することができなかったとし、対無人機能力を向上させると約束した。

尹大統領は過去にも同様の事案があったにもかかわらず、韓国軍の訓練および準備不足が露呈したと指摘。

また、前政権の対北朝鮮融和政策を批判。

その上で「北朝鮮の主要軍事施設を監視・偵察するための無人機部隊の創設を計画してきたが、それを迅速に進める時だ」と強調した。

北朝鮮の無人機飛来は2017年以来で、この時は軍事境界線付近で墜落した。14年にも墜落したのが見つかっている。

韓国軍によると、今回の無人機はこれまでと同様の大きさだが、技術的に進んでいるかどうかは不明。

アナリストによると、今回の無人機は完全な偵察任務を遂行するには小さ過ぎて旧式とみられているが、空港からの離陸が一時停止した今回のような運航妨害や武器の運搬には十分な可能性がある。

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