• これまでのデータに「そこそこ満足」-イエレン財務長官
  • ソフトランディング達成できるか否かは労働市場の状況次第
Janet Yellen
Janet Yellen Photographer: -/AFP

イエレン米財務長官は、最近のインフレと雇用に関するデータは心強いとしつつ、金利が高い水準にとどまる中で米経済がリセッション(景気後退)に陥るリスクがあることも認めた。

  長官は27日、訪問先のヨハネスブルク(南アフリカ共和国)でブルームバーグ・ニュースのインタビューに応じ、「これまで目にしたデータにはそこそこ満足している」としつつ、金融当局が「経済を減速させつつある」ことを踏まえ、「リセッションのリスクを最小化したくはない」と述べた。

米GDP、FRBが望む形で減速-なお残る景気後退のリスク (2)

出所:米経済分析局

  ブルームバーグが実施した最新の月次調査では、エコノミストらは米経済が4-6月(第2四半期)と7-9月(第3四半期)に縮小すると予想。向こう1年間にリセッションに陥るリスクを65%とみている。

  イエレン氏は「私が心強く感じているのは、インフレの鈍化を目にしているからだ」と説明。「レイオフの話は増えているが、根本的に労働市場はかなりタイトな状況が続いている」と述べた。

  経済が予期せぬショックを回避した場合、米金融当局がソフトランディング(軟着陸)を達成できるか否かは労働市場の状況次第だと、イエレン氏は指摘。ただそれは、失業率の上昇回避を意味する訳ではないと述べた。

  「インフレを鈍化させつつ力強い労働市場を維持するための道筋には、成長の減速が含まれる」とイエレン氏は述べた。

原題:Yellen Sees Recession Risk Even With Improving Inflation, Jobs(抜粋)