[ソウル 21日 ロイター] – 韓国を拠点とする人権団体「転換期正義ワーキンググループ」は21日、北朝鮮の地下核実験場があった北東部・豊渓里(プンゲリ)周辺の住民が、地下水を通じて拡散した放射性物質にさらされている可能性があるとする報告書を発表した。日本、韓国、中国への影響も指摘している。

米韓両政府によると、北朝鮮は2006年から17年にかけて豊渓里で6回の核実験を行った。

報告書によると、実験場周辺の8つの市や郡に放射性物質が拡散した可能性がある。これらの地域では100万人以上の住民が地下水を飲料水などとして利用している。

また、近隣の韓国、中国、日本も、北朝鮮から密輸された農水産物などを通じて影響を受ける可能性があるという。

この団体は、核や医療の専門家、脱北者と協力し、オープンソースの情報や公開されている政府・国連の報告書を用いて調査を実施した。

団体代表で報告書の共同執筆者、李永煥氏は「北朝鮮の核実験が同国の国民だけでなく、韓国など近隣諸国の人々の生命と健康に対する権利を脅かす可能性があることを示す点でこの報告書は重要だ」と述べた。