ロシアの侵攻開始から1年の節目に、首都キーウで記者会見するウクライナのゼレンスキー大統領=24日(共同)
ロシアの侵攻開始から1年の節目に、首都キーウで記者会見するウクライナのゼレンスキー大統領=24日(共同)

【キーウ(キエフ)=遠藤良介】ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、ロシアの全面侵攻から1年を迎えたのに合わせて首都キーウで記者会見を開いた。ゼレンスキー氏は、中国がロシアとウクライナに停戦を促す文書を発表したことに理解を示し、中国の習近平国家主席との会談を計画していると述べた。「中国がロシアに武器を供与しないことを強く信じている」ともクギを刺した。

ゼレンスキー氏は日本による「多大なウクライナ支援」に感謝を表明し、日本は今年の先進7カ国(G7)議長国として大きな役割を担っていると評価。岸田文雄首相は「待望されているゲストだ」と述べ、ウクライナ訪問に期待を示した。

中国外務省は24日、ウクライナ侵略をめぐる中国の立場を文書で発表し、停戦を呼びかけた。ゼレンスキー氏は、中国が和平に関与しようとしていることは「重要なシグナルだ」としつつ、具体的な提案がなされているわけではないと指摘。「和平案は当事国が作るべきだ」とも述べた。習氏との会談時期などには言及しなかった。

ゼレンスキー政権は昨年11月、「和平のフォーミュラ」と題した10項目の和平提案を明らかにし、ウクライナの「領土の一体性」を確認することが交渉の前提だとした。24日の会見でゼレンスキー氏は「フォーミュラを履行することこそが戦争の外交的決着につながる」と強調し、中南米やアフリカ諸国、中国やインドに賛同するよう求めた。