[北京 1日 ロイター] – 中国共産党が20年ぶりに「中央金融工作委員会」を復活させようと計画しており、アナリストらは習近平国家主席が金融セクターの監視を強化するシグナルだと指摘する。

この問題に詳しい関係筋2人がロイターに明らかにしたところによると、金融工作委は党指導部直下に置かれる。復活の決定は全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の後に明らかにされるかもしれないという。

国務院(内閣に相当)新聞弁公室からは、今のところコメントを得られていない。

金融工作委は江沢民政権下の1998年に設置され、2003年に解散した。

キングス・カレッジ・ロンドンの中国・東アジアビジネス担当上級講師、シン・スン氏は「もし、本当に復活すれば、主要ポストの人事を含めて金融システムに対して強い影響力を持つだろう」と指摘。「金融工作委を通じ、習氏らは残されたレガシーのようなテクノクラート(技術官僚)をより忠実な人物に置き換える改造をより迅速に展開することができる」と述べた。

関係筋によると、金融工作委のトップは政治局常務委員の李強氏か丁薛祥氏が最有力候補という。

中国の金融セクターは国務院金融安定発展委員会を頂点に、中国人民銀行(中央銀行)、中国銀行保険監督管理委員会、中国証券監督管理委員会が監督しており、いずれも政府機関。金融工作委により、党は経済と規制当局の方向性を決める役割を担うことになる。