[ワシントン 7日 ロイター] – イエレン米財務長官は6日、気候変動がすでに米国に大きな経済的・財政的影響を及ぼしており、今後数年間で資産価値の減損を招き、米金融システムに影響が波及する恐れがあると警鐘を鳴らした。

イエレン長官は民間の専門家や非営利団体などで構成する新設の諮問委員会の会合向け原稿で、過去5年間の損害規模10億ドル以上の災害の年間発生数は、物価調整済みで1980年代の5倍に増えたと指摘。

「気候変動が激しさを増すにつれ、自然災害や気温の上昇が資産価値の下落を招き、影響は金融システムに連鎖する可能性がある。ネットゼロ経済への移行の遅れや無秩序な移行は、金融システムにも衝撃が及ぶ恐れがある」という認識を示した。

気候関連金融リスクに関する諮問委は昨年10月に金融安定監視評議会(FSOC)によって立ち上げられた。イエレン氏は諮問委の発足によって気候変動が金融安定にもたらすリスクを低減させる米政府の取り組みが加速すると指摘した。

FSOCが2021年に気候変動を国内の金融安定に対する新たな脅威として初めて認定したのに続き、通貨監督庁(OCC)、連邦預金保険公社(FDIC)、連邦準備理事会(FRB)は気候関連リスクの管理に関する新たな規制を相次ぎ打ち出している。

また、FRBは1月に銀行の気候変動関連の事業リスク管理体制に関する分析を行うと表明。米証券取引委員会(SEC)は今年4月に企業の気候関連の情報開示について新たなルールを公表する予定。

イエレン氏は、保険会社が異常気候に対応して既に保険料を引き上げたり高リスク地域で保険の提供を停止していると指摘し、これが住宅所有者や住宅の価値に壊滅的な影響を与え得ると警告。金融システムの他の分野に悪影響が連鎖する恐れもあると語った。