米ファースト・リパブリック銀行の店舗=3月20日、カリフォルニア州サンタ・モニカ(AFP時事)
米ファースト・リパブリック銀行の店舗=3月20日、カリフォルニア州サンタ・モニカ(AFP時事)

 【ニューヨーク時事】多額の預金流出が判明した米中堅銀行ファースト・リパブリック銀行の経営不安が強まっている。ロイター通信によると、連邦準備制度理事会(FRB)や連邦預金保険公社(FDIC)などの金融当局は28日、同行関係者と接触し、支援策の協議を開始した。他行などによるファースト銀の買収や資産買い取りを模索しているようだが、難航しているもようだ。FDICが、同行を管理下に置く方向で準備をしているという。

米ファースト銀、預金4割減 最大25%の人員削減

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルはこの日、米政府がファースト銀を公的管理下に置いた上で行う競売で、JPモルガン・チェースやPNCファイナンシャル・サービシズ・グループなどの米金融大手が買収に向けて入札する見通しだと報じた。週末にも売却手続きが行われる可能性があるという。

 米メディアによると、ファースト銀は、金利上昇で価値が下落した債券や住宅ローン債権などの一部資産を他の金融機関などに売却し、財務基盤を強化する案を検討中。しかし、民間主導による救済は厳しい状況にあるとみられている。

 28日の米株式市場では、ファースト銀株が一時、5割安と急落。3月のシリコンバレー銀行(SVB)破綻をきっかけにした信用不安前と比較すると、下げ幅は95%を超えた。