[ワシントン 21日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、21日の下院金融サービス委員会で、インフレ率を目標の2%まで下げるためのFRBの戦いは「まだ長い道のりがある」との認識を示す。証言原稿が明らかになった。

パウエル氏は「インフレ率は昨年半ば以降、幾分緩やかになった」とするものの「インフレ圧力は依然として高く、インフレ率を2%に戻すにはまだ長い道のりがある」と述べた。先週の連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げを見送ったが「ほぼ全員の」参加者が、年内にはさらなる利上げが適切と想定していると指摘した。

投資家の間では、FRBが7月に利上げを再開するとの見方が多い。

パウエル氏は「私の同僚と私は、高インフレに起因する苦難を理解しており、インフレ率を2%の目標まで低下させることに引き続き強くコミットしている」と述べる。

FRB当局者が、米労働市場の持続的な勢いと「緩やかな」経済成長の継続と、急速なペースでの利上げの影響が経済全体に十分に及んでいない公算が大きいという事実について検討していると指摘。住宅市場などの「最も金利に敏感なセクターでの需要に対してはFRBによる政策引き締め効果が現れていることを確認している」ものの、「とりわけインフレ面で、金融引き締めの効果が十分に発揮されるには時間がかかる」と述べた。

銀行部門のストレスも家計や企業への「逆風」となっており、その影響はまだ不透明とした。

こうした状況および昨年年3月から実施している急速な利上げを踏まえ、先週のFOMCでの利上げ見送りは「追加情報と金融政策への影響を精査する」ことを可能にする「慎重な」措置だったと強調した。

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▽米FRB議長、インフレ抑制「長い道のり」:識者はこうみる<ロイター日本語版>2023年6月21日11:15 午後