▽容姿言及、上川氏の対応にも波紋 識者が思い出した22年前の出来事<朝日新聞デジタル>2024年2月3日 5時00分

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 自民党麻生太郎副総裁(83)が2日、上川陽子外相(70)の容姿を揶揄(やゆ)するなどした発言を撤回した。この問題をめぐっては、「どのような声もありがたく受け止めている」という上川氏の反応にも波紋が広がっている。「毅然(きぜん)と対応して欲しかった」との指摘があがる一方で、「責めるべきは麻生氏の側だ」と擁護する声もある。どう考えればいいのか。

 麻生氏は1月28日の講演で「俺たちから見てても、このおばさんやるねえと思った」「そんなに美しい方とは言わんけれども」と語った。上川氏は30日の会見で「様々なご意見があると承知しているが、どのような声もありがたく受け止めている」と述べ、麻生氏の発言への論評を避けた。これにSNSなどで様々な議論がわき起こった。

 「この同調圧力の強い日本社会で、同じ境遇にある女性たちも、大臣と同じような対応をしなければならないと感じてしまうリスクはないか」。2日の参院本会議で、立憲民主党の田島麻衣子氏が上川氏にただした。

 上川氏は「ありがたく」の表現はやめたうえで、「使命感を持って一意専心、努力を重ねていく」と述べ、正面から答えなかった。「外相として世界に間違ったメッセージを発信した」(立憲の蓮舫参院議員のX)との批判もあがっている。

「涙は女の最大の武器」と語った当時の首相

 「百合子とたか子 女性政治リーダーの運命」の著書がある政治学者の岩本美砂子・三重大学名誉教授(67)は「女性が政界でサバイブする(生き残る)のは、まだまだ難しいという現実の表れ。女性の割合がせめて3割になれば」と言う。

 衆院の女性比率は10%、参院は27%。世界経済フォーラム(WEF)が昨年発表したジェンダーギャップ指数で、日本は146カ国中、過去最低の125位。政治分野では138位に沈む。

 岩本さんは22年前の出来事…

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