Leah Nylen

  • 「事実上も、法律上も間違っている」と、アップルは反論
  • 株価は一時4%余り下落、時価総額は約1150億ドル吹き飛ぶ

米司法省とカリフォルニア州などの司法長官16人は21日、米アップルが「iPhone(アイフォーン)」のハードウエアおよびソフトウエア機能への競合他社のアクセスを妨げ、反トラスト法(独占禁止法)に違反しているとして、同社を提訴した。

  訴状はニュージャージー州の連邦裁判所に提出された。バイデン米政権は競争を経済政策の要としており、シリコンバレーが重要な焦点になっている。

  訴えによれば、アップルはアイフォーンのアプリ配信に関する権限を行使し、消費者が簡単に携帯電話を乗り換えるための技術革新を阻止した疑いがある。同社はクロスプラットフォームのメッセージアプリのサポートを拒否したほか、サードパーティのデジタルウォレットやアップル製以外のスマートウォッチを制限し、モバイルのクラウドストリーミングサービスを阻止してきたという。

  訴状では「アップルの反競争的かつ排他的な慣行からスマートフォン市場を解放し、競争を回復させることで消費者のスマートフォン価格を引き下げ、開発者の手数料を削減するとともに、将来のイノベーションを守る」と説明した。

  ガーランド司法長官は記者会見で、アップルは「自社製品の改良ではなく、他社製品を悪くすることで独占力を強化してきた」と述べた。

  アップルは訴訟は「事実上も、法律上も間違っている」と反論、これが「危険な前例となって、政府がテクノロジー設計に大きく関与する権限を与えることになる」と警告し、「それに対し断固としてたたかっていく」とした。

  21日の株式市場で同社の株価は一時4%余り下落し、時価総額は約1150億ドル(約17兆4400億円)吹き飛んだ。年初来では11%超の下落となっている。かつて時価総額3兆ドルを超え、世界で最も価値のある企業だったアップルは2024年に入って、ナスダック100指数とS&P500種株価指数のパフォーマンスをいずれも下回っている。

原題:US Justice Department Sues Apple in Antitrust Case Over iPhone

Apple Loses $115 Billion in Market Value as Regulators Close In

(抜粋)