水原一平氏(左)と大谷翔平選手(3月20日、ソウルで)=西孝高撮影

 【ロサンゼルス=後藤香代】米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手(29)の元通訳、水原一平氏(39)の違法賭博疑惑で、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は10日、水原氏が捜査当局との司法取引に応じ、大谷選手から数百万ドルを盗んだことを認める方向で調整が進んでいると報じた。捜査当局は大谷選手と水原氏の関係を調べるため、大谷選手にも事情聴取したという。

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水原一平氏(左)と大谷翔平選手(3月20日、ソウルで)=西孝高撮影

 捜査に詳しい複数の関係者が同紙に語ったところによると、水原氏はドジャースの開幕戦が行われた韓国から米カリフォルニア州に戻った際、空港で捜査官に呼び止められたが、逮捕されなかった。

 捜査当局は水原氏に対する捜査の過程で、大谷選手が銀行から口座の取引に関する通知を受け取らないよう、水原氏が大谷選手に無断で設定を変更し、450万ドル(約6億8000万円)以上を盗んだとの証拠をつかんだ。

 大谷選手は3月、窃盗と詐欺の被害に遭ったとして刑事告訴したことを明らかにしていた。水原氏は、金融犯罪を捜査する米内国歳入庁(IRS)犯罪捜査部と、国際犯罪を捜査する米国土安全保障捜査局(HSI)の捜査対象になっている。水原氏が捜査当局に対して速やかに罪を認めれば、不起訴や減刑となる可能性がある。