• ホルムズ海峡の制限解除含む内容-原油価格は一時10%超下落
  • イランは今後2日以内にパキスタンを通じて回答を送る見通し
米ニュースサイトのアクシオスは、米国がイランとの戦争の終結に向け合意に近づいているとみていると報じた
米ニュースサイトのアクシオスは、米国がイランとの戦争の終結に向け合意に近づいているとみていると報じたPhotographer: Amirhossein Khorgooei/AFP/Getty Images

Fiona MacDonaldSalma El Wardany

イランは、米国の戦争終結に向けた新たな提案を検討している。事情に詳しい関係者が明かした。約10週間に及ぶ戦争の終結を求め、中国も6日、国際的な外交圧力に加わった。

  この関係者によると、米国が提示した1ページの覚書は、イランが受け入れれば、ホルムズ海峡の段階的な再開とイランの港に対する米国の封鎖解除につながる内容だ。現時点では何も合意はなく、イランの核開発計画に関する詳細な交渉は、後の段階で行われる。提案には、対イラン制裁の解除や同国のウラン濃縮計画の一時停止も盛り込まれている。より包括的な核合意に至らない場合には、すべての条件が撤回され得るという。

  米国とイランの合意の可能性が意識され、原油価格は10%超下落。国際指標である北海ブレント原油は一時、約12%安の1バレル=96.75ドルを付けた。

  関係者によれば、イランは今後2日以内に仲介役のパキスタンを通じて回答を送る見通し。ただ、準国営のイラン学生通信(ISNA)は、提案には「過度で非現実的な内容が含まれており、ここ数日でわが国当局により強く拒否されている」と報じた。

  両国の覚書については、米ニュースサイトのアクシオスが6日、米国がイランとの戦争の終結に向け、合意に近づいているとみていると報じた。

  トランプ米大統領はこの日、「イランが合意内容を受け入れることを前提に、『壮絶な怒り』作戦は終了し、ホルムズ海峡の封鎖は終了する。合意しなければ爆撃を再開する」とSNSに投稿した。また米紙ニューヨーク・ポストは、トランプ氏がイランとの対面協議の検討は「まだ時期尚早」だとするインタビューを報じた。

  イランの国営プレスTVは、イスラム革命防衛隊(IRGC)海軍の司令部を引用し、「侵略者の脅威が無力化され、新たな手続きが導入されたことで、ホルムズ海峡を通る『安全で安定した通航』が確保される」と報じた。ホルムズ海峡に関する新たな手続きの詳細には言及していない。

  中国の王毅外相も6日、訪中したイランのアラグチ外相に対し、「戦闘再開は賢明ではない」と述べ、米国との恒久的な停戦を目指して交渉を継続するよう促した。イラン学生通信によると、アラグチ氏に対して中国は独自の4項目の提案を示したという。詳細は明らかになっていない。

   中国側の公式声明によると、「海峡の正常かつ安全な航行の回復について、国際社会は共通した懸念を抱いている」と、王氏はアラグチ氏に対して表明。「中国は、関係各国が国際社会の強い要請に一日も早く応じることを期待している」と続けた。

  中国はイランと緊密な経済・外交関係を維持し、同国の原油輸出の約9割を受け入れているが、戦争が始まって以降は表立った対応を控えてきた。習近平国家主席は14-15日に北京でトランプ氏と会談する予定で、イラン戦争も主要議題になる見通しだ。  

China Iran
イランのアラグチ外相(左)らと会談する中国の王毅外相(右から2人目)Photographer: Cai Yang/Xinhua/AP Photo

  戦争終結に向けた交渉は、4月中旬の初回協議が合意に至らず終了して以降、行き詰まっている。

  トランプ氏は、米国とイスラエルが2月に爆撃を開始して以降続いている戦争の終結に向け、イランとの交渉で大きな進展があったと繰り返し述べている。だが、ホルムズ海峡の対応など主要な問題を巡り、米国とイランには依然として意見の隔たりがある。

  米国はイランの核濃縮計画の終了も要求しているが、イランのペゼシュキアン大統領はこれを非現実的だとしている。

  イランの半国営ファルス通信によると、ペゼシュキアン氏は5日、「米国はわが国に最大限の圧力政策を追求する一方で、イランが交渉の場に着き、最終的に一方的な要求に従うことを期待しているが、そのような構図は不可能だ」と述べた。

  トランプ氏は5日、ホルムズ海峡を通過できずにいる船舶の航行を支援する米主導の取り組みの一時停止を決めた。この取り組みはイランの強い反発を呼び、4日にはアラブ首長国連邦(UAE)が攻撃を受けるなど、停戦の維持が危ぶまれていた。

  トランプ氏の課題は、国内で批判が高まっているイラン戦争を終結させつつ、エネルギー価格引き下げに必要なホルムズ海峡の支配をイランから奪うことにある。米国のガソリン価格は6日、2022年7月以来初めて1ガロン=4.50ドルを上回った。11月の中間選挙を控えた共和党にとって打撃となり得る上昇が続いている。

  英国海軍によると、ホルムズ海峡では5日も貨物船への攻撃があった。米国は、ホルムズ海峡周辺の閉鎖により、約2万2000人の船員を乗せた1550隻以上の商船が、湾内に足止めされているとしている。

  ギリシャの海運リスク会社マリスクスのディミトリス・マニアティス最高経営責任者(CEO)は6日、ブルームバーグテレビジョンで、海運業界は、イランや他の主体による妨害のリスクなく、ホルムズ海峡を安全に通過できる保証を求めていると語った。

原題:Iran Weighs Response to US Plan to End War as China Urges PeaceIran Evaluating US Proposal to End War as China Calls For PeaceIran Says Safe Hormuz Passage Will Be Ensured Under New Protocol(原題)