政府が、新たな成長戦略の策定に向けて試算したAI(人工知能)や半導体、造船など「戦略17分野」での官民投資の全容が判明した。投資額は2040年度までに官民で総額370兆円超に上る見込みだ。17分野への成長投資は、高市政権の「責任ある積極財政」の目玉政策で、国が投資を主導して民間資金を引き出し、国際競争力を高めたい考えだ。

 政府は、来週にも開く経済財政諮問会議と日本成長戦略会議の合同会議で試算を示す方針だ。与党による審査を経て、7月にとりまとめる「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」や日本成長戦略に盛り込む。

 主な官民投資としては、AI・半導体分野で、AIを使ってロボットなどを自律的に動かす「フィジカルAI」に10・5兆円を投じる。人手不足が深刻化する中、工場の自動化やインフラ点検などに活用することで、生産性の向上を図る。

 デジタル・サイバーセキュリティー分野では、「自動運転技術」に8・2兆円、「クラウド・データセンター、蓄電池」には35年度までに32・7兆円の投資を想定している。

 情報通信分野では、「次世代無線通信」「光通信」「海底ケーブル」の3分野に約29兆円を投資する。特に、次世代無線通信には20・5兆円を見込み、フィジカルAIに不可欠な高速通信網や衛星光通信に対応した地上局の整備などへの投資を強化する。