奥原 慎平

台湾海峡の平和と安定を考える国会議員の会で講演する国民民主党の山田吉彦参院議員(左)=7月13日午後、国会内(奥原慎平撮影)

超党派の国会議員でつくる勉強会「台湾海峡の平和と安定を考える国会議員の会」は13日、国会内で初会合を開いた。海洋安全保障を専門とする国民民主党の山田吉彦参院議員が講師を務め、中国の海洋進出の実態や日本周辺の安全保障環境について説明。会合で国境離島の重要性が再確認された。

台湾海峡はアジアの平和を左右

日本最南端の沖ノ鳥島(東京都小笠原村)は、高潮(満潮)時に2つの小島がわずかに海面上に姿を見せるだけだが、沖縄と米領グアムを結ぶ航路のほぼ中間に位置する軍事的要衝だ。中国は沖ノ鳥島を「島ではなく岩礁」と主張し、周辺海域では海洋調査船などを使って現状変更を試みている。

山田氏は、日本が消波ブロックや護岸整備に加え、サンゴ増殖技術を活用して島の保全を進めている現状を紹介。その上で、「いずれ中国が台湾を越えて沖ノ鳥島を占領する、あるいは台湾侵攻の拠点として確保する可能性がある」と述べ、「台湾海峡をどう守るかはアジアの平和を左右する問題だ」と訴えた。

「無線では絶叫するようなやり取り」

山田氏は、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域を視察した際の体験も映像を交えて紹介した。武装した中国海警局船が調査船に接近しようとする中、海上保安庁の巡視船が進路を塞いで対応した状況を振り返り、「中国海警局の船は日本側よりはるかに大型で、無線では絶叫するようなやり取りが続いていた」と指摘した。

さらに、「こうした攻防は尖閣では日常的に行われている。その対応のため多数の海保の巡視船が張り付いており、日本全体の海洋安全保障は相当脆弱になっている」と懸念を示した。尖閣諸島で野生化したヤギによる植生被害についても解説した。

日本最東端の南鳥島(東京都小笠原村)については、レアアースなど海洋資源の重要性に加え、将来的な核廃棄物の最終処分場としての可能性にも言及。尖閣諸島については、黒潮などの海洋データを収集する拠点としても戦略的価値が高いと説明した。

勉強会「台湾海峡の平和と安定を考える国会議員の会」であいさつする日本保守党の北村晴男参院議員(中央奥)=7月13日午後、国会内

勉強会には、日本維新の会の松沢成文参院議員、自民党の石橋林太郎衆院議員、鹿嶋祐介衆院議員、参政党の梅村みずほ参院議員らが駆け付け、山田氏に質問した。

発起人の維新の横田光弘衆院議員もあいさつし、6月に同会を発足した経緯に触れた上で、「台湾海峡の平和を何としても保ちたい」と述べ、勉強会の意義を改めて強調した。(奥原慎平)