[ワシントン 28日 ロイター] – 米商務省が28日発表した2017年第4・四半期の国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比2.5%増と、速報値の2.6%増から下方改定された。市場予想と一致した。改定の主な要因は在庫投資が当初予想よりも少なかったことだった。17年第3・四半期GDPは3.2%増だった。17年通年のGDPは年率で2.3%増と、16年の1.5%増から加速した。

トランプ政権は経済成長を年率で3%へ押し上げる目標を掲げている。エコノミストらは経済の成長率が今年、3%に達するとみている。米連邦準備理事会(FRB)は現在の見通しよりも利上げペースを上げる圧力に直面する可能性がある。

パウエルFRB議長は27日の議会証言で「12月以降、私個人の経済見通しは上向いた」と述べ、経済について前向きな見方を示した。これを受け短期金利先物では今年4回の利上げが実施される確率が上昇した。FRBは現在、今年3回利上げする見通しを示している。最初の利上げは3月とみられている。

プランテ・モラン・ファイナンシャル・アドバイザーズの最高投資責任者ジム・ベアード氏は「景気に勢いが増しつつある兆候、さらに財政刺激による一段の加速見通しを踏まえ、FRBが引き締め軌道を維持する公算が大きい」と語った。

第4・四半期の内訳は、米経済の3分の2以上を占める個人消費が3.8%増。速報値から改定されなかった。14年第4・四半期以来、3年ぶりの大幅な伸びだった。第3・四半期は2.2%増だった。

国内の生産は個人消費のペースに追いつかず、輸入が増えた。輸入は14.0%増と、速報値の13.9%増から改定された。10年第3・四半期以来の大幅な伸びだ。ドル安に伴い輸出も増えたものの、輸入の増加ペースが上回り、貿易はGDPを1.13%ポイント押し下げた。1年ぶりの大幅な押し下げ幅だ。第3・四半期は0.36%ポイント押し上げていた。

民間最終消費は4.6%増で速報値から変わらず。約3年ぶりの大幅な伸びとなる。在庫は80億ドル増と、速報値の92億ドル増から下方改定された。底堅い個人消費によって在庫の積み上げが減った。在庫はGDPを0.70%ポイント押し下げた。第3・四半期は0.79%ポイント押し上げていた。

RDQエコノミクスの首席エコノミスト、ジョン・リディング氏は「米経済は完全雇用、もしくはそれを超え、需要の伸びに追いつけない状況となっている。そのため、在庫の切り崩し、もしくは海外からの購入のいずれかを迫られている」と述べた。

機器の設備投資は11.8%増と、速報値の11.4%増から上方改定された。14年第3・四半期以来の大幅な伸びだ。ただ18年に入ってからは勢いが鈍っているようだ。27日発表された1月のコア資本財受注は2カ月連続で落ち込んだ。

前期まで2期連続で落ち込んでいた住宅建設投資は13.0%増と、速報値の11.6%増から上方改定された。政府支出は2.9%増と、速報値の3.0%増から下方改定されたが、15年第2・四半期以来の大幅な伸びだった。

経済は今年に入り、勢いを失っているもようだ。1月は小売売上高や住宅販売、耐久財受注、鉱工業生産が減少したほか、輸出が減る中でモノの貿易赤字が拡大した。季節的な要因でGDPは第1・四半期に弱含む傾向があるが、1兆5000億ドルの減税政策と財政出動を背景に18年は今後、成長のペースが加速するとみられる。第1・四半期GDPの予想値は1.8%増まで低いものもある。