[ニューヨーク 8日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場はユーロが下落した。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がこの日の理事会後、域内の成長加速を認めつつ、インフレが引き続き抑制的で保護主義の高まりがリスクになるとの認識を示し、材料視された。

ユーロが弱含んだことを受け、ドルは底堅く推移した。トランプ米大統領が署名した鉄鋼・アルミニウム輸入関税措置が、一部市場関係者の想定ほど深刻な内容でなく、貿易戦争を引き起こす公算も小さいと受け止められた。ECBが必要なら債券買い入れ規模を拡大するとの従来の方針、いわゆる「緩和バイアス」を撤回したことで、ユーロがいったん上昇したが、ドラギ総裁が記者会見で示した米輸入関税に関する見解で上昇が抑えられた。

FEXCOコーポレート・ペイメンツのディーリング部門責任者、デービッド・ラム氏は「市場が米国と欧州連合(EU)間で貿易戦争になるとの非常に現実的な脅威について熟考している中、ユーロは上下に揺れ動いた」との見方を示した。ドルは対主要6通貨バスケット.DXYで0.55%高の90.126。ユーロはドルEUR=に対し直近で0.81%安の1.2311ドル。ドルは対円JPY=で0.15%高の106.22円。ユーロは対円で0.64%安の130.79円。9日発表の2月の米雇用統計にも注目。