ティラーソン米国務長官(左)とポンペオ中央情報局(CIA)長官(EPA=時事)

【ワシントン時事】トランプ米大統領は13日、ツイッターで、ティラーソン国務長官を解任し、ポンペオ中央情報局(CIA)長官を後任に充てると発表した。CIA長官には副長官のジナ・ハスペル氏を昇格させる。いずれも就任には上院の承認が必要。トランプ氏は記者団に、イラン核合意などでの「意見の相違」を解任理由に挙げ、「ポンペオ氏とは思考プロセスが似ている」と述べた。

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 ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)によると、トランプ氏は5月までに行う意向の北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との初の首脳会談を前に、新しい外交チームをつくることを決めた。ポンペオ氏は対北朝鮮、イラン強硬派で知られる。ただ、政権発足1年余りでの「外交の司令塔」である国務長官の交代は、対外政策に影響を与える恐れもある。

13日、ホワイトハウスで記者団の取材に応じるトランプ米大統領(AFP=時事)

ワシントン・ポスト紙(電子版)によると、トランプ氏は9日、アフリカ歴訪中のティラーソン氏に辞任を求めた。ティラーソン氏は12日、予定を1日短縮して帰国した。一方、国務省高官は声明で、ティラーソン氏は13日、大統領と話しておらず、「(解任)理由も承知していない」と述べ、職に留まる決意だったと指摘した。

国際協調を重視するティラーソン氏は、イラン核合意やサウジアラビアなどのカタール断交問題への対応などでトランプ氏と対立。トランプ氏を「能無し」と呼び、確執が深まったとされる。トランプ氏が8日に米朝首脳会談受け入れを決めた際にも、ティラーソン氏に事前に知らせなかったといい、関係悪化が再び顕在化していた。昨年11月には、米メディアがトランプ氏がティラーソン氏更迭を検討していると報じたが、トランプ氏は直後に「彼は去らないし、協力して働いている」と述べ、更迭説を否定した経緯がある。