[ニューヨーク 28日 ロイター] – ニューヨーク外為市場は、ドルが主要通貨バスケットに対して1週間ぶり高値をつけた。貿易戦争懸念が和らいだほか、四半期末を迎えドルに資金が流入した。主要6通貨バスケットに対するドル指数.DXYは0.79%高の90.08。前日につけた5週間ぶり安値(88.942)から1%超上昇した。
交渉で妥協に至るとの期待を背景に、全面的な貿易戦争突入に対する懸念が和らいだ。コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの首席市場ストラテジスト、オマー・エシナー氏は「貿易戦争突入への全般的な不安がやや収まりつつある」と指摘。安全資産とされる通貨買いがある程度一服しているとの見方を示す。
ドルは対円JPY=で1.41%高、対スイスフランで1.07%値上がりした。2017年第4・四半期の米国内総生産(GDP)確報値が上方改定されたことも、ドルの追い風となった。前出のエシナー氏によると、聖金曜日の週末を控えトレーダーらがポジションを調整しようとしている公算が大きく、ドルがやや早い段階で底堅く推移したとも指摘する。
ユーロは対ドルで0.76%下落したが、5四半期連続で上昇する見通しで、2008年以来の長さとなりそうだ。英ポンドは対ドルGBP=D3で0.52%安の1.4081ドル。アイルランド国境問題の新たな解決策を英国が示すとの期待が広がる一方、3月の英小売売上高指標が振るわなかった。翌日にカナダ景気指標の発表を控え、カナダドルは対米ドルCAD=でやや下落した。