4日のニューヨーク外国為替市場では資金逃避通貨がドルと資源国通貨に対して下落。貿易戦争に発展するとの懸念が和らぎ、リスク選好が大きく回復したことが背景にある。ただ5日には米貿易収支統計が発表されることから、貿易問題が再び材料視される可能性がある。
ADPリサーチ・インスティテュートの民間雇用統計の発表直後、ドル指数はこの日の高値を付けたが、その後は下げに転じた。セントルイス連銀のブラード総裁のハト派寄りの発言や北米自由貿易協定(NAFTA)を巡る問題が解決に向かうとの期待もリスク選好にプラスとなった。
円とスイス・フランは、低下していた米国債利回りが反転する中で下落。米株式相場は消費関連や通信、不動産が主導する形で午後に上げに転じた。ニューヨーク時間午後4時40分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.2%低下。ドルは対円では0.2%上昇し1ドル=106円81銭。ユーロは対ドルで0.1%高の1ユーロ=1.2280ドル。
ブラード総裁はこの日、一段の利上げの必要はないとの見解を示し、これがリスク選好にプラスとなった。総裁はまた、貿易を巡る対立から先行き不透明感が強まっていると指摘した。ブラード総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持たない。
欧州時間の取引
欧州時間には円とユーロが上昇。中国が米国に対する報復関税の計画を発表したことを受けて、逃避需要から買われた。円は欧州時間、主要10通貨全てに対して値上がりしていた。