イラク派遣時の日報を陸上自衛隊が昨年3月に発見していたにもかかわらず、当時の稲田朋美防衛相らに報告していなかった事実が明らかになった4日、防衛省幹部は「またか」と絶句した。自衛隊幹部は「根本から意識を変えないと」と話した。小野寺五典防衛相は午後7時前、防衛省で記者団に、昨年3月に陸自が日報の存在を把握していた事実を険しい表情で明かした。
南スーダン国連平和維持活動(PKO)に続き、再び明らかになった日報問題。「事実関係が明らかになったところで、厳正な措置も含めて適切に対応したい」。普段よりやや顔を紅潮させる小野寺氏。淡々と言葉を重ね、「正確性を欠く国会答弁や資料要求への対応を行ったことをおわび申し上げたい」と陳謝する場面もあった。
防衛省幹部は「南スーダンの問題で失った国民の信頼を回復しようと取り組んでいるさなかに…。いいかげんにしてほしい」と話した。陸自幹部は「反省するしかない」と言葉少な。海上自衛隊幹部は「陸自幹部のだれかが問題をこれ以上大きくしたくないと思い、報告を上げなかったと考えるのが自然だ」と推察。「行政文書が国民のためのものだという意識がないのだろう。根本から意識を変えないと同じことが繰り返される」と指摘した。
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