米政府は中国への要求を検討しており、米国と中国の当局者は貿易摩擦を解消するための外交的打開策の見通しについて従来ほど期待を示していない。クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は6日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、米中間の真剣な協議は「実質的にはまだ始まっていない」と述べた。

ムニューシン財務長官はCNBCテレビに対し、米国の交渉の手の内を見せることになる恐れがあるとして、米中の接触に関して詳細を公表するのを控えた。ドロー氏はその後、ホワイトハウスで記者団に対して、「われわれまだ、中国に要求リストを渡していない。まだ終わっていないが、リストは検討中だ」と語った。

中国商務省の高峰報道官は6日夜の記者会見で、「われわれ中国人はけんかを売ることはしないが、もし誰かがからんできたら断固、真っ向から対決する」と発言。中国と米国の当局者がいかなる経済・貿易問題についても、ある期間協議していないと述べた。同日の米金融市場では米中の対立激化を受けて、株価が大幅に下落した。

トランプ大統領は6日午前に、投資家への短期的な痛みの後は、長期的な利益がもたらされるだろうと語っていた。大統領は77WABCラジオとのインタビューで、「私は少しの痛みがないとは言っていない」と指摘。「われわれは若干失うかもしれないが、達成した時には米国がはるかに強い国になるだろう。私の意味するのはこういうことだ」と述べた。