自衛隊の日報をめぐる問題で、防衛省は去年7月に出した「通達」で陸海空の自衛隊に過去の日報すべての調査を指示したとしていますが、海上自衛隊と航空自衛隊は指示とは受け止めず調査をほとんど行っていなかったことがわかりました。「通達」に、調査して報告を求める具体的な文言がなかったことが認識の差につながったと見られています。
自衛隊の日報をめぐっては、防衛省が存在しないとしてきたイラク派遣の日報が陸上自衛隊や航空自衛隊で相次いで見つかるなど、ずさんな管理状況が明らかになっています。防衛省によりますと、去年7月、南スーダンのPKO部隊の日報問題を受けた再発防止策として、陸海空の自衛隊のすべての日報を統合幕僚監部で一元的に管理するという「通達」が防衛省の官房長から出されました。
防衛省はこの「通達」が過去の日報すべてを調査する指示に当たるとしていますが、海上自衛隊と航空自衛隊は調査をほとんど行っていなかったことがわかりました。通達では「今後、部隊が作成した日報のすべてを統合幕僚監部に送付すること」とか、過去の日報について「改めて廃棄の有無を確認し、未廃棄のものは保存期間延長等の措置をとること」などと記されていましたが、調査して報告を求める具体的な文言はなく、これが調査についての認識の差につながったと見られています。
日報問題をめぐっては、去年2月に行われたイラク派遣の日報の調査の指示でも内容があいまいだったことが明らかになっていて、防衛省は指示の出し方が適切だったか詳しい経緯を調べています。