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FBIと連邦地検によるコーエン氏に関わる刑事捜査を示唆
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コーエン氏がこの捜査の中心かどうかは不明
米連邦捜査局(FBI)は9日、トランプ米大統領の代理人を長く務めてきた弁護士マイケル・コーエン氏の事務所を捜索した。同氏はロシアによる2016年の米大統領選介入やポルノ女優への支払いの捜査などで鍵を握る人物。
コーエン氏の弁護士、スティーブン・ライアン氏は、FBI捜査官らが捜査令状を執行し、書類を押収したと述べた。今回の捜索は、FBIとニューヨーク・マンハッタンの連邦地検がコーエン氏に関わる刑事捜査を行っていることを示唆するが、同氏がこの捜査の中心かどうかは現時点では明らかでない。
コーエン氏はポルノ女優「ストーミー・ダニエルズ」として知られるステファニー・クリフォードさんに対し、クリフォードさんがトランプ氏と持ったと主張する関係を巡る守秘義務契約の一環として、13万ドル(現在のレートで約1400万円)を支払った。コーエン氏は大統領にはこの支払いのことを知らせておらず、自費で賄ったと説明している。ライアン弁護士は、弁護士・依頼者間の秘匿特権で保護されている資料が押収されたとして、今回の捜査令状の執行は「全く不適切かつ不必要だ」と述べた。
FBIのエイミー・ソレソン報道官と司法省のサラ・イスガー・フローレス報道官は共にコメントを控えた。FBIによる捜索は先にニューヨーク・タイムズ(NYT)紙が報じていた。モラー特別検察官はコーエン氏に関連する情報をローゼンスタイン司法副長官に提出し、同副長官がこの問題はモラー氏のチームよりもマンハッタンの連邦地検が担当するべきだと判断した。事情に詳しい関係者が明らかにした。
クリフォードさんの弁護士、マイケル・アベナッティ氏は電子メールで、コーエン氏は「トランプ氏によってターゲットに仕立て上げられた。逮捕されるよう仕組まれている」と述べた。コーエン氏はロシアとの共謀を否定している。同氏は昨年、モスクワのトランプタワーの取引などロシアとの関係について、議会の調査担当者から事情を聴かれた。
原題:FBI Raids Office of Trump Lawyer Cohen on a Mueller Referral(抜粋)